無肢をくるむ

洗濯いぬ ふわふわ

無抵抗しない

記憶の定着率が悪くなった。

気付けばにんじんから芽が生えだしている。

夏は良くない、生き物が生きていることを嫌でも実感させられる季節だから。

絶対に有り得ないのに、「この風の匂い嗅いだことがあるな」と思う瞬間があるし、行き過ぎた(己の)創作話に感情移入しすぎて電車で泣くことがある。

なんてことない日常がこと細かく色付き、振り分けられるシーズンだった、かつては。


中学の頃テストに出た色相環、本当に覚える気がなくて何ヶ所か間違えた。何を間違えたのかは覚えていないが、意気揚々とペケしたに違いないあの大嫌いな美術教師の筆跡は、今すぐにでも呼び起こすことが可能である。

こうやって克明に記すことの出来る記憶が、本当に年々減っているのだ。

年寄りは昔の話ばかりする、とよく言うけれど、それは記憶の定着率が下がっていくことも関係しているだろうな、と確実に歳を食ってく自分を見て思う。

過去より今を生きる大人になりたい、とよく考えていた。今生きてるから過去の話ができるんだけどね。
そんなふうに思える年齢になったこと、それは素直に嬉しい。


ぼちぼちブログ、やってみることにした。


愛しい。